20160516

仕事

つべこべ言わずにやる、私の仕事。
怒られる、それも仕事のうち。
踊ってみせる、それも仕事のうち。
仕事のうちに入りきらない、
大きいのが良い。

朝食を食べる、卵が落ちる、美味しそうな音が鳴る。アトリエを造った。緻密な設計に腰を折った。直向きの壁が躾を学ぶ、紅差し指が派手に踊る。此処までが唇で、此処からが舌。切り抜いた言葉の響きが伝わる。伝えるものを置き忘れて、鳥肌が立つ。卵が落ちる、雛が産まれる。つべこべ言わずにやる、私の仕事。雀の世話、鴨の餌やり、それも仕事のうち。仕事のうちに入りきらない、大きいのが良い。

彼の必死の告白を再生させて、紡ぐ音楽がある。墨の絵の松に息吹を遣り、水辺の鶴は鳴く。風待つ鳥は染まりゆく思いを見、黄昏に耽って、逃してしまう宵空がある。目が覚めて思い出す、今夜の仕事。血汐にかけて走り出した。影の末端が揺れ、桐の糸が風に舞う。彼の必死の告白を再生させて、紡ぐ音楽がある。つべこべ言わずにやる、私の仕事、砧の声合わせ、それも仕事のうち。音のうちに入りきらない、大きいのが良い。

騒がしい夜の街通り、対象は夜空の真ん中に移動した。照らされた街、部分の強調がある、部分の省略がある、今は何か、形づくられるものがある。この時、ひとりの学生が洒落た写真を撮っていました。レンズの奥で光の粒は戯れています。急いで!夜街の奥からちらっと声が聞こえます。なんだか恥ずかしい。リンゴジュースの氷はすぐに溶けました。夜はまだ熱い、やり直し。屑箱は宇宙で、イマジネーションを放り投げると、不思議と隕石よろしく落ちてくる。そうだと良い。

つべこべ言わずにやる、私の仕事。
それは言葉、言葉を合わせて、
けむりをまとい、芳しさ残して、
消えていく、それも仕事のうち。
それは音楽、音楽を合わせて、
炎を上げて、微細に波打ちひろがっていく、見えなくなるほどの、大きいのが良い。仕事のうちに入りきらない、大きいのが良い。


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