ー 二人の会話
黒:真昼間から屋根の下、コンクリートの腕に抱かれて今日もお眼鏡のお勉強か。お前には大いなる地球の全てを見てほしいよ。少なくとも外の学生たちの朗らかで暢気な笑い聲をな。全てがまた無理だとしても、お前の勉学には狂気的な創像力が足りていない。それはつまり野望という野望が、世紀、世界を眺望し、孤高の存在となる野望が......
白:......
白:そんなことはあるまい。
黒:どんなことだ。欲していると言えよ。お前は見たはずだ。叔父さんのだらしなく口を開けたバッグからお前が栄光の小切手を盗み取った、さっぱりとした手口で、細々としたあらゆる良心を押し潰して。夢だった。夢を見た。鮮明な夢を!
白:夢に過ぎない。
黒:夢に苛まれろ。夢の解剖法が鏡を持ち出してきっとこういうんだ。「ご覧下さい、此れが貴方の心臓です。醜いですが、これが真実です。そう、これが真実。」夢だって現実的な現象だろ。自分の中に一度でもその存在を認めたものはなかなか消えはしない。そして狂気こそがお前の本当に欲していたものだと気づく。
白:夢や欲望、君の凡ゆる関心は私を決定付け得ない。
黒:ならばお前に病を呉れてやるよ。病に蝕まれるお前が、どれだけ死に向かって嘆かざるを得ないか、味わうがいい。所詮、お前も蛆虫に決定付けられる運命、即ちそれは、屍だ!
白:君らしい。自ずから答えは分かっている。
ー 白、死に至る病を患う。
黒:忍耐で己の魂を鼓舞してきたのだろう。どうだ、嘆け、叫べ、楽になれ!
白:死であろうと、私を決定づけるものではない。
白と黒:お前は私<俺>なくして価値はない。
白:せいぜいお前は私の従者なのだ。お前が大きければ大きいほどに、不思議なことに私の価値の方がより高まるもの。
黒:小賢しい!俺はお前に価値など認めない。俺の価値は常に力だ、権力だ!このひと突きで分からせてやる。
白:お前が如何に思おうが、既に決まっていること。そしてお前の価値観ですらそれに抗うことはできない。これを戦いだと見なすなら、つまり、お前の負けなのだ。
黒:失せろ!
ー 白、死す。
黒:ザマァねぇな。蛆虫に喰われてな!ま、花くらいはお供えしといてやるか…ん、いや…ちがう……花なんていらないな、蛆虫に喰われて、烏の泣き所になってりゃあいいんだ。花なんて置かなくていいよな。俺というやつはどうしてそんなこと考えてんだ!…え……「夜は朝となる。月は沈み、陽は昇る。この世界の調和は不思議なものだ。」…誰だ…ふざけるな。「お前が此処に居たがるなら、私が滅却されることはない。お前の主人に大いなる感謝を捧げよ。」…ふざけるな……
ー 黒、死す。
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