20160621

葬式行進曲

左方の毛沓 右方の毛沓が
阿吽の呼吸で月夜を歩き
途方去る喧噪が遺した
生気を吸い尽くす
待ち侘びた風が肌を滑り
帳が開けられ
万代に照るという月も
闇の片隅に捌けてしまう
去なば猿とて寂しがり
息は呑まれ
口腔で悶える舌も
いつしか動かなくなる

ついに来た 運命が 
身形は共に知らずとも
手触りがそのまま夜に溶け込む
雪原の如き
さやけき光
死装束が包む
己が心
風は止み
帳は垂れて
有明へとかわる夜を
板木のように沓音がたちもとほる

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