満天の夜空を見降ろす此の世の贅沢
そこで静かに交わされる言葉は
紅葉さながら落ちていくことなく
それは重力とは凡そ無関係に
モルゲンタウの星漢を過ぎ
心へ還って逝く
天文学的距離に隔てられても
私たちは自然に挨拶を交わすことができる
言葉は私たちの心へ還って逝く
私たちがその言葉の名を知らないにせよ
それは私たちの言葉なのであった
今宵の流星が街を帆走ってから
時が私たちを迎えに来た
それは幾万年後のことで
モダンを漂う無量の感情が
心のなかへ落ちて逝った
聖鑑の水鏡ですら不可視のそのなかへ
静閑なる灼熱が万物を歪ませ
生と死が奇蹟を結ぶそのなかへ
生還した何物もない
死別した何物もない
不滅なるものよ!
此処にぞあると
どうして黙ったままなのだろうか
季節のめぐりにみな
忘れてしまったものはないか と
木枯らしが弓を鳴らし
冬支度の日々が淡々と飛び跳ねて
町の女の子が家の玄関に鍵を差し込む
鳥のさえずりが聞こえる
山眠る その深きから
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