20170902

溶ける夜

風の吹く涼しい日頃
秋の虫の鳴くを聞くに
九月の影こそ
潜める季節の案内が寝床とみて
雲が掛物のうんと厚いのを
さっと広げる間
ひとつふたつくしゃみして
私もみつよつ懐の影深め
筆によく染み込ませた墨汁もて眠る
黒い川面に浮かぶ身体の
透き通った輪郭線を消せばよし
夢さながらの夜が
こまやかな燈しの中で
そろろと溶ける
時を忘れ
心の揺らぐ天井を
見つめる私のおぼめく律動
眼孔が灰色に変わり
音楽をかける

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