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20170718
夜の海
音の調が淡い光の中へ凝縮されて、ほとんどが暗い陰に変わってしまった。その光の中でヴァイオリンが独り鳴っているのに私はただ聴いているだけの人間だ。まるで水中の静寂が今夜を包んでいる。目を開けることへの恐れかただ肌に伝わる冷たい力を感じているだけの人間だ。息遣いもなしに弦楽器の響きが私を包んでいる。何処まで続くのだろう、この海は。何処まで深いのだろう、この心は。原初の形も最後のそれも知らぬままに、月となって私は漂ってゆく。
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