20170720

流れる

のぞいた水面に映った私の過ぎ去りし時。過去を横切る今世の葉がきれいな色をして見えた。水中を鯉が泳ぎゆく。空気はゆらゆら揺れ、言葉を持たない手が水に浸されるまでは、止まったような時に触れる。音のない世界。水滴が指先から落ちて、はじめて聞こえる心の音。流れていった葉に名前はあっただろうか。流れていった時間を何と呼ぼう。消えかけた印象がまた形を整えて輝けば、手の平の水たまりに草葉がひとつ。ことなる風がよく吹けば、その輝きも都度に変わるよう。それが花火のように消えるとき、過ぎ去りしものよ、よく消えてゆけ。

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