20170921

言の葉の綾/バベル

以前にちょいと書いてみたものが残ってあったので、さながら一連のモノローグのようにまとめあげた。それはいつかの青春とでも言おうか、青春というには寂しくて、いつかの人生とでも言おうか、人生というには短くて、なんとも言えぬいびつな線を描いて綴る、在りし日のひとのこころ。


あたまに枝を生やして、「ひとのこころをたねとして、よろづのことのはとぞなれりける」とね。あなたは詩歌、詩歌と書いて「やまとうた」という。

砂のようにこぼれ落ちてゆく、風間の時間がある。じっと見つめていると飽きるものが、気をどこかへ許すと忽ちなくなってしまう。ねえ、愛おしい時間が命を落としたみたいに止まっている。まるで虫の亡骸だけど、雨が降れば流されてしまう果敢ないもの。あなたはだれ? その信号機は永久に赤のまま。そうと知れば、渡るのに不思議と躊躇は要らないのに。

いかに熱心に叫ぼうと、それが本気だと思われはしない。確かに、真の決心は実に静かである。 

空はざわつき、雲が流れる。転換が始まった。案山子は板付で、嵐が来る。九月下旬、朝顔の花が咲いた。一人歩きの人の影、それは幻、夢のまた夢、さらば飛び込む蜜の味、花一途の戯れが、お前を離すことはもはやない...

なんて世の中だ。蔓延る伝統の根、身体に絡まる茨の手、流れる川を羨んで、貯まる酒腹暈上り、積んで縺れて営み膨らみ、身動きできずに嘆くだけの歌。ああ、それだけが歌。この世に野原が広がって、想像が好きなように駆け巡る、走れ、走れ、走れ!血の巡りよりも速く、恋の巡りよりも、ずっと速く!重荷から解かれて、また担ぐまでのひと時さ。良い歌をありがとう。ああ、だけど毎日聴くのはつらい。

人生 おちあり やまあり ゆきふりて ふらぬぼうこそ きけんよぼう よばぬよばなし おも白し

ぼくがひとり愛を詠うと、鈴虫や秋の虫たちの伴奏が聞こえてきてね、囁いたのは秋の風、見守っていた星が微笑んで、みんなが静まると、ぼくも目を瞑って夢をみた。たしかあれは夢見の前、君のほっぺに愛を添えたら、それは溶け込むように消えていった。それから夜空はとても明るくなって、ぼくも目を瞑って夢をみた。

いちごはあかい あかいはほのお ほのおははかない はかないはいちご いちご いちえの いとおしさ

これが、よわいのおきしるべ、むべにはなつきみちたりて、すずろにあかつき、あへなきとき。

へえ あしは見飽きたかい ならばあっしは おさらばおさらば

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