20170914

時の無言歌

過ぎ去ったものが為に振り返ることはない。それらのことについて何の知る由のないものを思慮したところで、私の心が満たされるわけでもない。過ぎ去るものであれ、共にこの地球に並ぶること思えば、よく生きることを誰についても願い、馳せるその思いを見送るのみである。私の背後に仕える影が無闇な心配で肥大せぬよう風のように去るといい。ひとつの気流に呑まれることなく、穏やかに漂よう雲のように浮いていたい。溶けて失われた鋭敏な鏃が時おり土の底から無傷の骸となって現れる。かつて抱いた旅の夢を何処ぞの畑に埋めてしまった多くの人々が在るという。私は泥塗れの骨を見つめながら、過ぎ去った事どもを思うことなく、新しい土の匂いを感じるだけである。

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