20180329

辺疆のニュータウン

新築の駅は潤沢として輝き、即物のマンションが囲む芝生の公園で遊ぶ学生、敷地を大きく利用したインテリアショップが街を活気づけ、ショッピングカートを押して遠ざかる家族、ニュータウンと呼ぶに相応しいこの街を歩く人たちの若々しさは今までにない空気を吸わせる。これまで私たちが予想していた未来とは異なるものをこの人たちは想像しているに違いないと、そう思わせる。午後の広い青空もまたどこか異色の魅力を持ち、この街は規則正しく時計どおりに動いているが、太陽もまた同じように、静かに沈むのである。

20180322

野暮な日常

春の雨が窓に打たれて、曇空が遠くに見えた。絶え間なく響きする滴のなかに侘びしい音、その音のために遠く何処かで楽器を弾いている、そのような静かな日がまもなく終わる。日々に数え字なく、はじまりと終わりの区切だけの野暮な世界。その中でいつか、睡夢の橋から桜の花びらを浮かせた川を見た。指先に冷たい季節の名残が伝わり、せせらぎは過去の録音のように視線の細部を満たしていった。影のなかの心傷が春を迎えようとして、岩のような表皮を裂いている。いくら涙を落としても、空の光は特に眩しく輝いた。それは野暮な世界の次の日が始まろうという時機らしい。