20170616

夏の朝

とおいね 空が明るく なってきた
まだ底知れぬ不安が内臓を締めつけ
この夜明けの色に溶けていく
どこかで 見たような 絵画
とおい むかしのそれが よみがえる

充たされた思い出が
季節のように移り変わり
はっとしたところで 
木枯らしの吹くように
寂しさを露わにする

見たことのある風景
感じたことのある幸福
いつもそれは
春の新芽でなければ
自分がいつか描いた絵のようだ

日が昇るから夜が明けるのか
夜を明くる為に日は昇るのか
それとも
そのいずれでもない太陽が 
あるのだろうか

20170609

帰鳥

壁に寄りかかって書く詩は 両手と 両足の腿とによって支えられる 横風が頬に伝わり 視線が街を見下ろす 花壇に溶けていった虚ろな眼差しがある 友人が私を訪ね それから私は字を書いた 帰鳥の影が白紙へ注がれる