20170116

額に手を当て感触を確かめた
冷たい
寒夜に光る月が
おのれの欠けらを手にするとき
私もまた充ちた心地がする
今夜の空気の冷たさが私に警告する
外に出てはいけない と
まるで親が子に言うように
悟った表情をして私に投げかける
失われた真実が此処
孤児院の簡易ベッドの上で寝んでいる
安らかな寝息は冬眠さながらに暖かい
蓄えた想い出がこぼれ落ちぬよう
強く抱きしめられながら
呼吸と共に揺れている
窓の外を見ると
高速道路を走り終えたトラックが
ヒールの高い靴を履いた
歳若き女性を呼んでいるのが分かる
オレンジ色の夜灯は空を眺めている
人間は世界的な愛を信じている
交通網が計算される
電子ネットワークが拡張される
この世のすべきことは
誰かを待つことだと言うように
人間は愛がまるでこの世の隅々まで
巡るように と期待する
そのあいだ私たちは
何を考えるともなく生きるのです と言う
運命を真似する偶然を
私たちは見守りたい と
スカートがトラックの上を跨いだ
忘れさられた旋律が
安堵の証もて眠る この夜
私もまた此処で休むとしよう
夢の紅気の流れる深い谷に
私がいる
それは夜道をひとりで歩くときのように
それは群衆の合間を抜けるときのように
それは孤独のように
なにもない
私の意志
それ以外のなにも












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